早めに集まった私たちは
近くのスーパーで飲み物を買って
駅の近くを話しながら少し歩いた
彼は以前私たちが出会った
例の団地の比較的近くに住んでいるらしかった
昔よく遊んだ公園や
大好きだったパン屋さん
遊具があったスーパー
私たちが通っていた幼稚園
どこも変わっていないことを彼は教えてくれた
これまで会話という会話もできていなかったけれど
当時のおぼろげな記憶を思い出しながら話していると
なつかしい気持ちと不思議な安心感が湧いてきた
再会から3年目にしてやっと友達になれたような気がしていた
文化祭の打ち上げ会場に着くと
私たちはそれぞれの友達のところに合流して
少し離れた席に座っていた
打ち上げが終わり、お店の外で集合写真を撮った後
私は勇気を出して彼と写真を撮ってもらった
「帰りも送ってくよ」
方向音痴な私を心配して彼がそう声を掛けてくれた
駅に着いて少しだけ話をした後
帰ろうとする私を彼は引き留めた
「1年生の時からずっと好きでした。付き合ってください。」
当時はあんなにそっけなかったのに本当かな…?
と一瞬疑う気持ちもあったけれど
「よろしくお願いします。」
差し出された彼の手をそっと握った
あの時は7年も一緒に過ごせるなんて
思いもしなかった
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